ヒトT細胞白血病ウイルス (HTLV-1) は完全人工栄養乳に切り替えても、3-5%程度の母子感染が認められることから,経胎盤感染あるいは経産道感染の可能性が示唆されてきたが,感染機序の解明にはHTLV-1キャリアの出産後の胎盤や臍帯などの調査だけでは難しく,母子感染動物モデルの開発が望まれていた。我々は、妊娠初期のNOGマウスにヒト末梢血を移植しヒト化することで妊娠ヒト化マウスを作成後,HTLV-1感染細胞を移植することにより、母子感染モデルを構築し実験に用いた。本感染モデルは、胎生期におけるHTLV-1感染細胞の動態および感染機構の解明や治療薬開発等に役立てられると考えられる。
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