Pelizaeus-Merzbacher病(PMD)は先天性大脳白質形成不全の代表的な疾患である。従来、変異体の髄鞘膜蛋白質PLP1蛋白質は、過剰な小胞体ストレスによって細胞に起こるunfolded protein response(UPR)により細胞死を誘導するものと考えられて来た。我々は変異体PLP1蛋白質が小胞体のカルシウム枯渇を介し、ER-Golgi体輸送を障害するという新規病態を解明した。本研究の成果は、PMDの新たな治療標的の同定につながるばかりでなく、同様の小胞体ストレス病態の関与が示唆される他の疾患の病態解明にも寄与すると期待される。
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