研究課題/領域番号 |
19K08359
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
内木 康博 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 小児内科系専門診療部, 医師 (20470007)
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研究分担者 |
勝又 規行 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (10260340)
深見 真紀 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 部長 (40265872)
阿久津 英憲 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生殖医療研究部, 部長 (50347225)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 先天性副腎皮質過形成症 / 遺伝子治療 / アデノウィルス随伴ウィルスベクター / iPS細胞 / 11β水酸化酵素欠損症 |
研究実績の概要 |
先天性副腎皮質過形成症は副腎のステロイド合成酵素によって生じる常染色体潜性遺伝の疾患で新生児マススクリーニング対象疾患である。本研究の目的は本疾患に対する遺伝子治療モデルの確立である。 昨年度までに11β水酸化酵素欠損症の線維芽細胞からiPS細胞(11βOHD-iPSC)を作成し、さらにステロイド産生細胞へ分化することに成功した。またCYP11B1遺伝子を含んだ血清型9型のAAVベクター(AAV9-CYP11B1)を作成済であることより本年度はこのステロイド産生細胞に対してAAV-CYP11B1を用いた遺伝子導入を行った。RT-PCRでCYP11B1の発現を認めたことより、遺伝子導入の成功を確認した。また培養液中に11β水酸化酵素の基質であるデオキシコルチコステロンを添加して24時間培養後にその代謝物であるコルチコステロンの培養液中の濃度を測定したところ、コントロールおよびステロイド産生細胞に分化していない11βOHD-iPSCではコルチコステロンが感度以下であったのに対し、ステロイド産生細胞に分化後AAV9-CYP11B1で遺伝子導入した細胞においてはコルチコステロンが産生されており、AAV9を用いた遺伝子導入によって11β水酸化酵素活性を獲得したことを確認した。 この結果から、これまで11β水酸化酵素欠損症モデルマウスへの副腎へのAAV9による遺伝子導入で得られた治療効果がiPS細胞を用いたヒト細胞モデルでも確認できた。
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