研究課題/領域番号 |
19K08364
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
齊藤 詠子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (00406456)
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研究分担者 |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特別栄誉教授 (10175127)
鬼澤 道夫 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30783352)
永石 宇司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (60447464)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 炎症性腸疾患 |
研究実績の概要 |
本研究では、腸管上皮細胞と腸管粘膜免疫担当細胞とのクロストークに着目し、腸管上皮細胞のミオシン軽鎖キナーゼの制御異常が、炎症スパイラルの基点となることで、炎症性腸疾患の発症に関与するかを追求する。具体的には、腸管上皮ミオシン軽鎖キナーゼと腸管免疫の関連について慢性腸炎モデルを用いて明らかにする。また、慢性炎症擬似モデルを確立し、in vitroにおけるミオシン軽鎖キナーゼの細胞内・細胞外の制御機構を明らかにする。最終的には、免疫学及び腸管上皮学それぞれの視点を統合し、in vivo及びin vitroの両面から、ミオシン軽鎖キナーゼの発現制御による炎症性腸疾患の治療が可能か検討する。本研究期間では以下の成果が得られた。 1)in vivoでの解析のため、野生型マウスの脾臓からTCR beta+CD4+CD44-CD62L+のナイーブT細胞を分離し、Rag2遺伝子欠損マウスに移入することで、移入後8-10週後に解析が可能となる慢性腸炎モデルを作成した。同モデルを用いて、ミオシン軽鎖キナーゼやサイトカインの生化学的・機能的解析の条件検討を行っている。2)in vitroでの細胞内ミオシン軽鎖キナーゼの解析のため、マウス上皮細胞の初代培養・解析条件を検討した。3)in vitroでミオシン軽鎖キナーゼの細胞外制御機構を追求するため、マウス免疫系培養細胞を用いてサイトカインの誘導を各種培養環境で経時的に観察した結果、サイトカインの一過性発現を慢性型へと変化させる培養条件を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の基盤となる慢性腸炎モデルの実験が予定通り軌道にのり、in vitroで慢性炎症を誘導しうる条件も見出せたため。
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今後の研究の推進方策 |
慢性腸炎モデルでの腸管上皮細胞と腸管粘膜免疫担当細胞のクロストークをフローサイトメトリーやウエスタンブロット・免疫組織染色で追求するとともに、in vitroで慢性炎症持続機構やミオシン軽鎖キナーゼの制御機構を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は試薬等が予定より廉価で購入可能であったため。 解析の規模を拡大するため、試薬を増量して購入する予定である。
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