研究課題/領域番号 |
19K08366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
三原 弘 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (00612623)
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研究分担者 |
内田 邦敏 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (20581135)
南條 宗八 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70649285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 慢性便秘 / TRPV4 / 腸内細菌 / 大腸菌 / 腸球菌 / K.oxytoca / 上皮 |
研究成果の概要 |
便秘患者では小腸から直腸にかけて伸展や微小炎症を受容するTRPV4イオンチャネルが上皮に多く発現し、便回数減少や罹患期間に関連していた。結腸上皮細胞株と細菌を培養すると、TRPV4の発現が一過性に減少するもの、不変なもの、増加するものに分けられた。発現を増加する細菌として、クレブシエラ菌、腸球菌、大腸菌が見出させ、菌体ではなく、培養成分が増加させた。短鎖脂肪酸である酪酸や、TNF-α阻害剤で発現増加が抑制された、便秘症状と便秘患者の大腸粘膜の腸球菌比率とが関連しており、酪酸産生菌を維持し、TNFα経路の抑制が慢性便秘症の予防や治療につながりうることが示唆された。
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自由記述の分野 |
消化器
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性便秘症は有病率5%の高頻度疾患であり、今後も増加することが危惧されている。その慢性便秘症において、腸内細菌のTRPV4発現増加への影響及び、酪酸とTNFα阻害による発現増加抑制効果が明らかとなったことにより、慢性便秘症の病態解明及び、酪酸産生菌投与や、TNFα阻害剤の新規治療法の開発につながり、患者のQOL向上、医療費低減につながる可能性がある。また、TRPV4は結腸以外の消化管だけでなく、膀胱、皮膚、気管などの細菌が暴露する上皮でTRPV4が生理的機能、病態に関与していることが知られており、他領域疾患の研究への波及効果が期待される。
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