研究課題/領域番号 |
19K08374
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
近藤 泰輝 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70455822)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | iCIs / TKIs / Tregs / MDSCs / HCC |
研究実績の概要 |
肝細胞癌治療患者に対して各種IVR治療、TKI治療、放射線治療を行う前後にて患者末梢血を採取し、血清をディープフリーザー(-80度)にて保存した、また一部の症例においては腫瘍生検を施行し、同様にディープフリーザー(-80度)にて保存した。TKI治療を使用する前、後でPBMCsを抽出し、その検体よりRNAを抽出し、ライブラリーを作成した後、次世代シーケンサーを用いてトランスクリプトーム解析を施行した。発現が上昇した遺伝子群と低下した遺伝子群について解析した。結果、免疫抑制系細胞の一つであるTregsのマスター遺伝子のFoxP3が、代表的なTKIであるソラフェニブ使用により低下することを見出した。現在、免疫関連の遺伝子について上昇する遺伝子群と低下する遺伝子群を詳細に解析している。また、血清とPBMC検体を使用して、TKIsの血中濃度測定をHPLC-UV法にて行い、免疫細胞サブセット解析をマルチカラーFACSを使用して行っている。特に、Tregs、MDSCs、Th1細胞頻度解析を施行した結果、TKIs血中濃度と一定の相関を示した。また、他癌腫において実際にiCIsにて治療をした患者の肝障害の発現頻度、生化学検査データを解析し、今後、肝細胞癌に対してiCIsと併用して使用する薬剤(TKIs等)が起こしうる肝障害について臨床的データを蓄積している。現時点で肺癌に対してiCIsを使用した症例150例の解析を終了し、更にデータを蓄積している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の通り、順調に検体の採取、データ蓄積が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
順調に研究が進んでいるため、当初の研究計画に従い、臨床検体、データを使用した解析を継続するとともに、in vitroの解析についても開始していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、臨床データと検体の採取に力を入れたため、前半に実験試薬を購入する必要がなかった。また、手持ちの実験試薬を使用して研究遂行がなされたため、研究は問題なく遂行出来た。後半に研究試薬を購入してin vitro実験を行う予定であったが、コロナウイルスの蔓延がみられたため、これらの研究を次年度に行う予定とした。その分の物品購入費を次年度に使用する方針とした。
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