研究課題
肝細胞癌に対して各種TKI、IVR、放射線治療を行う前後において、PBMC、血清を採取し、検討を行った。特に、TKI治療の一つであるソラフェニブ治療前後において詳細な検討を行なった。PBMC検体よりRNAを抽出し、ライブラリーを作成した後、次世代シーケンサーを用いてトランスクリプトーム解析を施行した。発現が上昇した遺伝子群と低下した遺伝子群について解析した。結果、免疫抑制系細胞の一つであるTregsのマスター遺伝子のFoxP3が、ソラフェニブ使用により低下することを見出した。また、各種免疫細胞サブセットの解析も行い、治療により腫瘍免疫に抑制的に働くTregsとMDSCsが有意に減少し、Th1細胞が有意に上昇することを見出した。ソラフェニブの血中濃度では治療効果の良好、不良間で有意差は認められなかったが、MDSCs頻度では統計学的有意差を認めた。また、iCI治療が肝細胞癌で使用可能となった為、適切な使用の為のirAEsのコントロールが重要である。肝細胞癌においては、背景の肝臓に肝硬変などの障害があるケースが多い為、irAE肝障害には更なる注意が必要である。我々は、非小細胞肺癌に対しニボルマブとペンブロリズマブを使用した際に肝障害がみられた症例群において、肝障害がみられなかった症例群と比較して、血清中の抗核抗体の陽性率が高く、肝組織中にGranulomaが見られることが特徴的であるということを見出した。また、CD8陽性細胞頻度が高いことも発見した。これらの結果について論文報告を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
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