研究課題
基盤研究(C)
5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA)は、炎症性腸疾患(IBD)治療薬として広く用いられている。しかし5-ASA製剤の作用機序は明らかではない部分も多い。本研究では、SPF環境飼育下マウスおよび無菌マウスを用いた16S rRNA amplicon sequencingによる細菌構成解析や宿主の腸管粘膜における免疫学的解析を行い、5-ASA投与により腸管微生物叢が変化し宿主の腸管免疫・防御機構に影響を与えることを明らかにし、5-ASAの抗炎症作用機序の1つである可能性が示唆された。
消化器内科学
5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA)は、比較的安価であり、その忍容性と有効性が長期的に実証されている炎症性腸疾患(IBD)治療薬である。IBD患者数は増加傾向にあり、5-ASA製剤の抗炎症機序を明らかにすることは、医学的のみならず医療経済に貢献する新たな治療選択肢の開発につながる可能性がある。本研究成果は、5-ASAの腸管微生物叢を介する作用機序の解明、IBD治療に用いるプロバイオティクスの探索につながるものと考えられる。