研究課題
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療に再生医療の応用を検討する一環として、脂肪組織由来間葉系幹細胞の応用の可能性を検証することを目的とする。本研究ではNASH モデルマウスの脂肪組織から間葉系幹細胞の樹立と正常マウス由来の肝臓からオルガノイドの作成を試みる。脂肪由来の間葉系幹細胞による再生治療での肝臓に与える影響を調べる目的で、マウス個体での影響を評価する計画から肝臓オルガノイドを用いた系に再計画をした。本研究期間で肝臓オルガノイドの形成と継代維持まで成功した。NASHモデルとしてIL-1受容体アンダコニスト欠損マウス(IL-1Ra-KO/C57BL/6J)に生後2日目で皮下にストレプトゾトシン(STZ)を投与し、3週間後の離乳期から高脂肪含有飼料を給餌した群i)、また、同系マウスにSTZ処理後に3週間後から通常飼料を給餌したものii)、さらにIL-1Ra-KO/C57BL/6JにSTZ未処理で高脂肪食を給餌した群iii)、IL-1Ra-KO/C57BL/6Jに生後3週間目から高脂肪含有飼料を給餌したものiv)の四群を比較した。6ヶ月目に肝臓を摘出して組織標本を作成し病態を確認した。肝炎誘発マウスの血清中の肝臓逸脱酵素の測定とトリグリセリドの計測を行った。肝臓組織標本から脂肪による肝臓組織のダメージが強い固体もあり、またNASH様の形態を示す個体も見られた。さらに、肝臓組織上に腫瘍の形成が確認された個体もあった。さらに、各群のマウス腹部の脂肪組織を摘出し、酵素処理後に脂肪組織由間葉系幹細胞の単離培養を行った。これらの細胞の継代培養を行い、培養上清を回収し、脂肪組織由来間葉系幹細胞から細胞外小胞を単離した。同様に正常マウス由来の脂肪組織より間葉系幹細胞の単離培養を行い、細胞外小胞を単離した。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
Regen Ther.
巻: 18 ページ: 117-126
10.1016/j.reth.2021.05.005.
Oncogene
巻: 40(21) ページ: 3695-3706
10.1038/s41388-021-01787-5.
Molecular therapy. Methods & clinical development.
巻: 10;21 ページ: 199-208
10.1016/j.omtm.2021.03.006.
Sci Rep.
巻: 11(1) ページ: 21638
10.1038/s41598-021-00811-8.