研究課題/領域番号 |
19K08386
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
守時 由起 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90585522)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | B細胞除去 / 原発性胆汁性胆管炎 |
研究実績の概要 |
原発性胆汁性胆管炎は厚生労働省の「難治性肝疾患」に指定された自己免疫性慢性肝臓疾患であり、現在の標準治療であるウルソデオキシコール酸 (UDCA)内服では疾患進行を遅延させるものの、30%程度はUDCA治療に不応性であり肝硬変への進展抑制が困難である。米国FDAにて近年承認された胆汁酸アナログ(FXR agonist)であるオベチコール酸(OCA)は、有害事象として重度掻痒の報告も多く、また死亡例も出ていることから、国内での開発は中止となっており、実臨床での肝硬変進展抑制への期待は大きいとは言えない。一方、国内では抗フラクタルカイン抗体による臨床試験が開始されたが効果は未知である。重篤な肝硬変症例における有効な治療は肝移植のみであり、肝移植後5年生存率は80%と良好なものの、免疫抑制剤長期服用が必要となり、移植後5年間に30%程度のケースで再発が見られる。それ故、肝硬変進展抑制に向けた新規療法開発を最終目標として原発性胆汁性胆管炎の病因、病態に関する活発な研究が世界的に進められている。研究代表者らは、原発性胆汁性胆管炎ヒト患者におけるRituximabを用いたB細胞除去療法の有効性、モデルマウスにおける抗CD20抗体投与による肝臓炎症改善、 肝臓B細胞数の低減による非B細胞数およびCD8+T細胞数に低減、抗治療薬抗体(ADA)出現による治療効果減弱について明らかにしてきた。 本研究ではB細胞除去療法中止後の肝臓炎症低減持続の有無および治療間隔延長の可否について明らかにすることを目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため確実性の高い実験予定が立てられず、使用可能な治療薬抗体量に限りがあることから一部の検討を保留していたが、さらに実験動物繁殖不能となり再導入、実験動物数の確保に時間を要していた。
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今後の研究の推進方策 |
実験動物の再導入も完了し、現在実験動物の繁殖を進めており検討を再開する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物繁殖不能となったことから再導入し、現在、繁殖を進めている。検討再開が可能な時期に合わせて、必要な物品等の購入を進める予定である。
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