研究課題/領域番号 |
19K08400
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
黒田 英克 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (70382596)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 超音波エラストグラフィ / 超音波減衰量イメージング法 |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝疾患 (nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD) や非アルコール性脂肪肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis: NASH)は世界中で患者数が急増し、そのエンドステージである肝硬変や肝細胞癌は今日臨床現場での大きな脅威となっている。膨大な患者数のNAFLDから、予後の悪い線維化進展例やNASHを効率よく囲い込み、診断することは極めて重要な臨床的課題である。一方、腹部超音波検査は、低侵襲、低コストで繰り返し施行が可能で、肝脂肪化を高感度に検出する優れた検査法である。これまで申請者らは、NAFLDの肝組織性状診断と肝形態ならびに肝物性値に関する研究を継続的に展開し、NAFLDの肝線維化診断における超音波エラストグラフィ (Two-dimensional Shear Wave Elastography: 2D-SWE)の有用性、超音波減衰量イメージング法 (Ultrasound Guided Attenuation Parameter: UGAP)の開発と肝脂肪化診断における有用性を明らかにした。本研究の目的は、2D-SWEとUGAPを用いて、NAFLDの中から、線維化進展例やNASHを囲い込み・診断可能な定量的超音波診断手法の開発と検証である。当該年度には、2D-SWEによる肝弾性値、UGAPによる超音波減衰係数の測定と病理組織学的検討について症例集積を行った。Signal-to-Noise Ratioの測定、超音波画像のテクスチャ解析についても解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに202例2D-SWEによる肝弾性値、UGAPによる超音波減衰係数の測定と病理組織学的検討を行った。また、Matteoni分類Type3と4 (NASH) を従属変数、肝弾性値と超音波減衰係数を独立変数とし、ロジスティック回帰分析を用いて、NASH診断予測モデルならびに高度線維化進展予測モデルを作成を達成し、当初の計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は予測モデルの精度検証と考察を行う、得られた研究結果は、申請者のホームページ上や学会発表で積極的に配信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
該当年度は症例集積にあてた。また、購入予定であった超音波アプリケーションの販売開始が遅延した。本アプリケーションは2020年度購入の見込みである。
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