研究課題/領域番号 |
19K08405
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大村谷 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60398229)
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研究分担者 |
福井 広一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60378742)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Reg / 腸内細菌叢 / 肝臓の脂肪化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、膵細胞や消化管上皮細胞の再生・増殖に関与しているRegファミリーの遺伝子の6遺伝子を欠失したマウスを作製し、Regファミリーの機能を解析すると共に、このReg遺伝子ファミリー欠損マウスを組織再生不全の新たなモデル動物として開発することである。この6遺伝子を欠損したマウス(ホモ欠損)はメンデルの法則に従って生まれ、その後の成長も野生型マウスと差が見られなかった。肉眼的には明らかな異常は認めなかったが、上部消化管の間質の肥厚と炎症細胞の浸潤が観察された。また、肝臓の脂肪化が促進されていることも判明した。Regは細胞の再生・増殖に関与しているばかりでなく、腸内細菌叢から消化管上皮を保護するバリアとして機能している可能性が示唆された。肝臓の脂肪化については、Regが欠損することで、消化管からの細菌の移行が促進され、慢性的な炎症が生じた結果、肝臓の炎症も惹起され、脂肪化が促進されている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に消化器系臓器を中心に表現型の解析を行っている。出生直後から若年齢では顕著な異常は来さなかったため、より長期的な観察が必要と考え、出生後約1年での解析を中心に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
消化管の表現型を中心に、Regの生理的条件下における役割を明らかにする。 1.Regと消化管上皮の幹細胞との関係 2.Reg欠損に伴って、腸内細菌叢がどのように変化するのか を行う。また肝臓の脂肪化が見られたことから、腸からの炎症が関係している可能性を考えており、もともと脂肪化を起こしやすいのかどうかを明らかにするために、高脂肪食の投与も計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスの飼育経費が予想よりも少なかったが、新たな実験のため、現在交配中で、次年度に使用予定である。
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