若年および老年の野生型マウス胃からオルガノイドを作成したところ、老年マウス胃から作成したオルガノイドは若年マウス胃から作成したものよりも、オルガノイド形成数は多く、細胞増殖能も高いという意外な結果が得られた。老年胃オルガノイドでは若年胃オルガノイドに比べてWntシグナルが活性化、転写因子Tbx3の発現が増強しており、さらには細胞老化が抑制されていることが判明し、これらが細胞増殖能の亢進に寄与していると考えられた。 ヒト胃生検検体および内視鏡切除標本を用いた検討により、ヒトにおいても加齢によるTBX3の発現亢進が認められること、胃癌においてTBX3が発現していることが判明した。
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