研究課題/領域番号 |
19K08413
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
人見 祐基 星薬科大学, 薬学部, 特任講師 (10525819)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ゲノムワイド関連解析(GWAS) / 原発性胆汁性胆管炎(PBC) / 疾患感受性遺伝子領域 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、慢性進行性の胆汁鬱滞性肝疾患であり、胆管上皮細胞に対する自己免疫反応の関与が示唆されている一方で、その発症・進展機序は未だ不明なままである。 疾患の罹りやすさに関連する遺伝子を網羅的に探索するゲノムワイド関連解析(GWAS)を用いて、申請者らの研究グループはこれまでにヒト白血球抗原遺伝子群(HLA)をはじめとする多数の日本人PBC感受性遺伝子領域を同定するとともに(Hitomi Y, et al. 2019など)、英国などの研究グループとの国際共同研究によるGWASメタ解析を実施してきた(Cordell HJ, et al. 2021)。 令和2年度は、日本人を対象とした解析によって見いだされた疾患感受性遺伝子領域(COLCA1/COLCA2、他2ヶ所)に加え、国際GWASメタ解析によって新たに同定されたアジア人特有のPBC感受性遺伝子領域(2カ所)において、発症に直接寄与する機能的遺伝子多型(causal variant)の同定、PBC発症機序の解明を目的として、以下に示す研究を実施した。 まず、PBC感受性との非常に強い関連(P < 5.0 × 10-8)を示す100ヶ所以上の一塩基多型(SNP)を検出した。さらに、in silico解析・in vitro機能解析を実施し、それぞれの遺伝子領域におけるcausal variantを同定するとともに、CRISPR/Cas9を利用するゲノム編集などを用いて、このSNPに起因する発症メカニズムを解明した。 一部のcausal variantはe-QTL(発現量的形質遺伝子座)解析において遺伝子発現量との非常に強い相関を示したほか、uORFを介したタンパク産物の翻訳効率や、選択的スプライシングに寄与する可能性があるcausal variantもあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、日本人を対象としたGWASや、国際GWASメタ解析にて同定されたPBC感受性遺伝子の一部について、発症に寄与する機能的な遺伝子多型(causal variant)の候補の選定が完了するとともに、causal variantの同定・その遺伝子多型に起因する発症分子メカニズムの解明に、それぞれ至ったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに同定されたPBC感受性遺伝子について、発症に寄与する機能的な遺伝子多型(causal variant)の候補からの絞込み、および、遺伝子多型に起因する発症分子メカニズムの解明をさらに推進するために、以下の解析を実施する。 1.すべてのPBC感受性遺伝子を対象としたin vitroの機能解析、特に、CRISPR/Cas9を利用するゲノム編集を駆使し、よりcausal variantに特化した解析を実施する。 2.遺伝子多型による遺伝子発現への影響を検討するためのeQTL解析を、複数の信頼できるデータベースを用いて実施する。 3.血清や末梢血単核球を用いた発現解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が残ったため。
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