膵癌の予後改善のためには治療標的の同定および個別に対応した治療薬の選別が重要となる。本研究では近年登場した分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など膵癌の新規治療法選択に重要なEUS-FNA検体の解析について検討した。必要なEUS-FNAの検体量はDNA3ng以上であり、それを達成するために迅速病理が有用であった。遺伝子解析の結果、FDAで認可されている分子標的薬のマーカーとなる遺伝子異常は20%に認め、実臨床で使用されているFOLFIRINOXのマーカーとなりうるHRR関連遺伝子の異常は14%の症例にみられた。また、予後に関連する遺伝子異常の解析も可能であった。
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