研究課題/領域番号 |
19K08433
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
水野 伸匡 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 研究員 (80399592)
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研究分担者 |
井本 逸勢 愛知県がんセンター(研究所), 分子遺伝学分野, 副所長兼分野長 (30258610)
高橋 進一郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 部長 (50505914)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Borderline resectable膵癌 / ctDNA |
研究実績の概要 |
膵癌はUICC-TNM分類第8版によってStage IからIVに分類される。Stage IおよびIIの多くは切除可能であるが、Stage IIIおよびStage IVは切除不能な進行膵癌であり、Stage IIIは「局所進行膵癌 (LAPC)」、Stage IVは「遠隔転移を伴う膵癌」となる。切除可能境界 (borderline resectable, BR)膵癌は腹腔動脈幹 (CA)や上腸間膜動脈 (SMA)に180度未満で接触・浸潤し、切除しても高率に顕微鏡的癌遺残(R1)となるカテゴリーである。化学療法や化学放射線療法(CRT)など、様々な術前治療 (NAC)の臨床試験が実施されているが、NAC後の画像診断では正確な手術適応の判断が困難である。KRASは膵癌の90%以上で変異を認め、循環血漿中(ct)DNAの変異KRAS量は腫瘍量の特異的マーカーとなり得る。BR膵癌を対象とした術前GEM+nab-PTXとS-1併用放射線療法のランダム化比較第2/3相試験であるGABARNANCE試験の附随研究として、本研究課題ではctDNA中変異KRAS解析のBR膵癌NAC後の手術適応決定への応用を目的に、NACの効果と切除標本における奏功を予測する新規バイオマーカーとしての血中KRAS変異解析と周術期アウトカムを比較する。1) NAC前、2) NAC後、3) 手術のできた症例では切除後の3ポイントで血漿10 mLを採取する。本研究の成果は、BR膵癌のみならず、化学療法後のコンバージョン手術を考慮する膵癌への外挿により、膵癌全体の予後改善に資するバイオマーカーの開発に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大に伴う診療および研究の制約と、本体試験に用いる薬剤の供給停止のため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータの解析を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度の研究の進捗が予定より遅れたため、令和3年度に予定していた研究費の一部を令和4年度に持ち越したことによって、次年度使用額が生じた。
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