研究課題
研究代表者らは、先行研究を基にEBウイルスのエピゾーマルベクターシステムを用いたHBx抑制化合物のスクリーニング系の構築を試みてきた。昨年度は、一昨年度に引き続きHBVコアプロモーター・エピゾーマル・レポーター細胞株の樹立を行い、HBxの発現により、その活性が10倍以上に上がるような系の樹立を目指した。具体的には、4-ヒドロキシタモキシフェン処理により、HBxの発現をONにすることが出来るERT2iCre-loxPシステムを用いたHBx発現HepG2細胞を樹立した(ERT2iCre-loxP HBxHepG2細胞)。更に、ERT2iCre-loxP HBxHepG2細胞にHBVコアプロモーター・エピゾーマル・レポーターベクターを移入し、安定発現細胞株を100クローン以上樹立した。しかし、いずれも誘導時にはHBxは高発現するものの顕著なルシフェラーゼ活性の上昇は確認出来ず、現在までレポーター細胞の樹立には至っていない。ただし、研究開始後1年半を以上経過した段階において、抑制化合物のスクリーニング系として使える状態までに至らなかったため、EBウイルスのエピゾーマルベクターシステムを用いたスクリーニング系の構築をしつつ、新たなHBxの働きを抑制出来る化合物のスクリーニング系の構築の検討も開始した。具体的には、HBVcccDNAの転写活性をモニターすることでHBxの働きを検出出来る幾つかのシステムについて構築中である。
4: 遅れている
申請書で計画したEBウイルスのエピゾーマルベクターシステムを用いたHBx抑制化合物のスクリーニング系の構築は、研究を開始してから1年半を過ぎても確立出来ず、新たなスクリーニング系の確立が必要となったため、当初の計画から遅れている。
昨年から、HBVcccDNAの転写活性をモニターすることでHBxの働きを検出出来る幾つかのシステムの構築に着手した。今年度はHBxの働きを抑制出来る化合物のスクリーニング系の構築を確立し、抑制化合物の探索に着手することを目指したい。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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