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2019 年度 実施状況報告書

CX3CR1陽性単球の大腸炎関連大腸癌発症における分子病態生理学的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K08442
研究機関三重大学

研究代表者

桝屋 正浩  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (30281083)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードマクロファージ / AOM/DSS / 大腸癌 / CX3CR1
研究実績の概要

CX3CR1 wild type (WT) マウスとCX3CR1 knockout (KO) マウスから採取した5 x 10e6個の全骨髄細胞を10 Gyの放射線照射したC57BL/6J-Ly5.1マウスに移植し骨髄キメラマウスを作成した。移植から2ヶ月経過した時点でazoxymethaneを腹腔内投与しその1週間後から1% dextran sodium sulfate希釈液を1週間投与/2週間蒸留水投与というサイクルで3サイクル傷害を繰り返し与えた。傷害開始から10週後と20週後にCX3CR1WT骨髄キメラマウス(WTキメラ)とCX3CR1KO骨髄キメラマウス(KOキメラ)から末梢血、骨髄、大腸を採取して検索を行った。その結果、(1)10週後の時点でdisease activity index (DAI)に関してはWTキメラとKOキメラで有意な差はなかったが、小さな腫瘍の形成はKOキメラで少ない傾向にあった。大腸組織の抗CD45抗体を用いた免疫組織染色の結果では、KOキメラの方がWTキメラより約30%白血球細胞が減少していた。大腸lamina propria (LP)から分離した細胞のフローサイトメトリーによる解析ではCX3CR1highLy6ClowCD11b+F4/80+ 細胞がKOマウスで減少傾向にあった。(2) 10週以降20週までのDAIはKOキメラで軽減し、20週後の時点で大腸腫瘍の数も有意にKOキメラで少なかった。大腸LP内の白血球分画の解析では、WTキメラとKOキメラで好酸球・好中球・リンパ球には変化なかったものの、10週後同様にCX3CR1highLy6ClowCD11b+F4/80+ 細胞は有意に減少していた。以上から、KOキメラではマクロファージ分画が減少して大腸の炎症が軽減し、大腸腫瘍の形成が抑制されることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨髄キメラマウスを用いたazoxymethane/dextran sodium sulfateによる傷害モデルの作成並びに傷害後のマウスの解析も順調に進んでいます。大腸組織の免疫組織染色解析がやや遅れているものの、それ以外の実験に関しては概ね問題ありません。

今後の研究の推進方策

採取した大腸組織の免疫組織染色、遺伝子解析、血清中のケモカイン測定など実施予定です。

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公開日: 2021-01-27  

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