研究課題/領域番号 |
19K08450
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
細見 周平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60554938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小胞体ストレス / Amphiregulin |
研究実績の概要 |
小胞体ストレス(ERストレス)による肥満細胞活性メカニズム解析 ERストレス応答性転写因子であるATF4がAmphiregulinの遺伝子(AREG)発現誘導に重要な転写因子と考えられたため、AREGのプロモーター領域中のATF motif部が変異・欠損したレポータープラスミドを作成し、ルシフェラーゼアッセイを行った。ERストレス下でのルシフェラーゼ活性は、変異・欠損レポータープラスミドで低下することを予測して行った実験であるが、低下は認めなかった。以上の結果は、同部位以外にATF4が結合するのか、もしくはATF4以外の転写因子が他のmotif部に結合することで、AREGが誘導されていることが予測される結果であった。 LUVA細胞を用いたin vitro実験で、ERストレス抑制作用が報告されている4-phenyl butyric acid(PBA)やtaurine-conjugated ursodeoxycholic acid(TUDCA)、ursodeoxycholic acid(UDCA)による作用やIL-12/23の作用の検討を始め、濃度や刺激時間などの条件設定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予測したATF motifへのATF4の結合を示唆する結果が得られなかったため、他の候補motifの探索と、新たな変異プラスミド作成が必要な状況。また、ERストレス抑制剤による刺激実験では、条件設定に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
LUVA細胞を用いたin vitro実験で、ERストレス抑制作用が報告されている4-phenyl butyric acid(PBA)やtaurine-conjugated ursodeoxycholic acid(TUDCA)、ursodeoxycholic acid(UDCA)による作用やIL-12/23の作用を、GRP78・TNF・AmphiregulinのmRNA・蛋白レベルを測定することで検討する。 また、次年度には、クローン病の腸管肥満細胞におけるTNF・Amphiregulin発現解析も予定している。 1. 手術検体・生検検体を用いた、トリプターゼ陽性肥満細胞におけるTNFα・Amphiregulin発現を蛍光二重免疫染色で解析。2. GRP78やATF4発現局在の多重染色による確認。3. 健常人、クローン病におけるTNFα・Amphiregulin発現や、単離肥満細胞の発現遺伝子の差異を検討し疾患活動性との関連の検討。を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定実験の条件設定に時間を要したため、ヒト検体を用いた実験をすすめることができなかったために次年度使用額が生じた。2020年度には、ヒト検体を用いた免疫染色や細胞単離を行うために抗体などの物品を購入予定である。
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