研究課題
腸内環境からみた新たな肝疾患治療戦略の科学的根拠を見出すことを目的に、独自の方法によって既にヒト門脈血液を採取した20症例に加え、今年度は8例のサンプル採取を行い合計28例の臨床検体を入手した。同一個体から糞便と門脈血を同時に採取し、次世代シークエンスによる腸内細菌叢メタゲノム解析を行った。驚くことに腸肝循環として知られる閉鎖系の門脈血流内に大半の症例で細菌DNAが検出されたことから、現在は糞便から得た腸内細菌叢と比較して、疾患特徴的な細菌種について解析中である。また、腸内細菌叢から産生される種々の代謝物質のメタボローム解析について、サンプル採取の方法ならびに処理方法を含め実行可能かどうかを検討中である。
3: やや遅れている
次世代シークエンサー測定は終了したが、膨大なデータの解析に難渋している。これまでは腸内細菌叢の「門」レベルの解析結果であったが、解析技術の進歩により「科」レベルまでの解析結果が必要となった。したがって、これまでの結果についても再解析が必要となった。ただし、データ解析の依頼先と新たに共同研究を開始したため、今後は加速的に解析結果が出るものと予測する。
次年度は次世代シークエンサーにより取得した膨大なデータの解析を進め、論文にまとめる予定である。さらに、細菌代謝産物の網羅的解析であるメタボローム解析について、外注先に依頼し肝疾患特異性のある細菌種の同定が可能かどうか検証する予定である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件)
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