研究実績の概要 |
株化がん細胞U2OS,Caco-2細胞を用いて、がん幹細胞選択的培養と分化がん細胞選択的培養を行うことにより、幹細胞性が高いほどがん細胞の概日周期は弱くなることが明らかになった。またNocodazole、Lovastatin、Mitomycinなどにより細胞周期を止めることにより、がん幹細胞においては概日周期がほとんどなくなることが明らかになった。このことからがん幹細胞では概日周期が弱くまた、細胞周期が概日周期の維持に必要であることが示唆された。そこで概日周期を制御する時計遺伝子であるPer1のプロモータ領域の凝縮度をH3抗体を用いたCHIPアッセイによって調べると、幹細胞性の高いがん細胞では細胞周期ごとに凝縮度が変化していることが明らかになった。このことからがん幹細胞では細胞周期依存的なヒストンリモデリングが起こり、これが概日周期の維持に関与していることが示唆された。
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