研究実績の概要 |
コドン139多型がArg/Arg, Arg/Cys, Cys/Cysである健常人から採取した赤血球検体に対して、6-TGTPを添加しインキュベートさせ、LC/MSで6-TGMP生成量を測定したところ、インキュベート時間が15分、30分、60分、120分それぞれにおいて、Arg/Arg, Arg/Cys, Cys/Cysの順に低下していた。インキュベート時間が15分、60分、120分の時はArg/ArgとCys/Cys間及びArg/CysとCys/Cys間で有意差を認め、インキュベート時間が30分の時にはArg/ArgとCys/Cys間でのみ6-TGMP生成量に有意差を認めた(p<0.05)。 次に、前述の酵素活性測定系での測定値について、日内再現性及び日間再現性の確認を行った。3被験者それぞれにおいて、3日間、1日あたり5回測定し、それぞれの再現性を比較した。コドン139多型がArg/Arg, Arg/Cys, Cys/Cysである健常人から採取した赤血球検体について、日内安定性及び日間安定性を比較するために同一検体を1日あたり5回、3日間、60分間インキュベートを行いLC/MSにて6-TGMP及び6-TGTPを測定したところ、3日間全てCys/Cys-Arg/Cys間、 Cys/Cys-Arg/Arg間における6-TGMP/6-TGTP比で有意な差が認められた(p<0.01)。6-TGMP/6-TGTP比それぞれの最小-最大値は、1日目においてArg/Argは0.155-0.303、Arg/Cysは0.460-0.735、Cys/Cysは0.517-0.915、2日目においてArg/Argは0.289-0.560、Arg/Cysは0.873-1.17、Cys/Cysは0.920-1.46、3日目においてArg/Argは0.203-0.426、Arg/Cysは0.636-1.06、Cys/Cysは0.758-1.35であった。 以上のように、同一検体を用いて1日あたり5回、3日間測定したところ、6-TGMP, 6-TGTPのそれぞれの量にばらつきを認めたものの、6-TGMP/6-TGTP比を用いた場合にはほぼ同等の遺伝子型による測定値の違いが確認できた。
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