研究実績の概要 |
肝癌合併C型肝硬変患者(13症例)の手術標本(ホルマリン固定, パラフィン包埋標本)よりスライド標本を作成し, 計9種類の抗体(HLA-DPB1, CD68, CD163, CD11c, CD11b, CD14, CD4, CD8, FoxP3)による新規蛍光多重免疫染色(OPALTM:Parlkin-Elmar社)を行い, 各蛍光強度をデジタル解析した.
HLA発現亢進群の癌部にHLA-DPB1陽性かつCD68, CD163陽性を示すM2 マクロファージが有意に多く浸潤していた(80 vs 22, 蛍光強度/1M pixel, P<0.05). さらにT細胞マーカーであるCD4, CD8およびFoxP3による多重免疫染色ではFoxP3陽性CD8細胞が有意に多く浸潤していた(92 vs 32, 蛍光強度/1M pixel, P<0.05).
HLA遺伝子の発現が亢進している肝癌は, 非硬変肝に発生する比較的大きな腫瘍という特徴をもち, M2 マクロファージやFoxP3陽性CD8細胞の浸潤により免疫抑制性の微小環境が形成されていた.
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