研究課題/領域番号 |
19K08477
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
熊谷 洋一 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80611087)
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研究分担者 |
立川 哲彦 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, その他 (10085772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エンドサイトスコピーシステム / 人工知能 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
本研究はオリンパス社と共同開発した細胞レベルまで拡大可能な超拡大内視鏡であるEndocytoscopy system (ECS)を用いた研究である。ECSで得られた画像をdeep learning AIで解析し、内視鏡医のECS診断のサポート可能か検討する。オリンパス社プロトタイプを用いた過去画像を使用したDeep learning AIは診断精度の向上を認めたが、現在市販されたGIF-H290ECの画像のみを用いたAIの作成を行っている。現時点で十分な枚数の画像が確保されたためAIメディカルサービス社へ撮影した画像を送付し、新規のDeep learning AIを作成中である。この他家族性大腸腺腫症の十二指腸病変をECS観察し、新たな知見を報告した(Kumagai Y et al. Sci Rep. 2020;10:19221. )。さらに非常にまれなPeutz-Jeghers polypから発生した十二指腸粘膜癌を経験し、Digestive Endoscopy誌にBrief articleを発表した(Kumagai Y et al. Dig Endosc. 2021 Mar 9. doi: 10.1111/den.13967. )。いずれもMEXT科研費によるサポートを受けていることを明記した。 食道癌発癌初期の多段階血管新生の概念を証明するという課題に関しては新たに埼玉県立がんセンター立川哲彦医師を研究分担者として迎えることとし、研究を進めている。現在血管新生抑制因子であるHIF-1α、TGF-β、NOTCH1も免疫染色を行っており、HIF1に関してさらにRT-PCRを用いた検討を予定している。 学会では日本癌治療学会にてシンポジウムの指定演者に指名され、日本食道学会のシンポジウムでも食道ECSの講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AI作成に過去画像の使用が企業から許可がもらえなかったため、新規に画像を得る必要が生じた。これにより昨年大幅に進んでいた研究が、当初の予定通りの進行となった。 血管新生の検討は新規にHIF1,TGF, NOTCH1などの検討を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
現在画像は確保されたためAIを作成中であり良い結果を期待している。今後内視鏡医、病理医とAIの診断制度を比較し、AIが診断サポート可能か検証する。 HIF1の検討では免疫染色から既報に新たな知見を加えることが可能で新たにRT-PCRを用いた裏付けを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
免疫染色、RT-PCRなどの実験や論文作成に必要な英文校正などに使用する予定です。
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