研究課題
集積された超高密度マッピングデータから最終年度に2つのテーマを論文化した。1)左房側壁に心房頻拍(AT)の回路を有する28症例を解析した。18ATは後側壁に回路を有し、うち14ATは僧帽弁輪峡部を旋回、3ATは小さいリエントリー、1ATは巣状ATであり全例治療に施行し、27ヶ月で再発を認めなかった。一方10ATは左房リッジまたはマーシャル束の関与したATであり、可能な症例ではマーシャル静脈にマッピングカテーテルを挿入し精査を行い、3ATはリッジ関連AT、3ATはマーシャル束関連AT、1ATは左上大静脈関連ATと判明した。いずれも左房とマーシャル束接合部がイスムスであり同部位への通電で治療に成功した。2ATはイスムスはリッジ外で、1ATはリッジ内の小さいリエントリーでありいずれも治療に成功し、12ヶ月で再発を認めなかった。上記より超高密度マッピングおよびマーシャル静脈の微小電極によるマッピングの有用性を証明した(Miyazaki, et al. J Am Heart Assoc. 2021;10:e022384.)。2)左房天蓋部を旋回する22ATを解析した。3ATはアブレーション既往なく、13ATは左房天蓋部アブレーション既往あり、4ATはアブレーション既往はあるが天蓋部焼灼の既往なし、2ATは外科術後であった。平均頻拍周期は244msであり、イスムスを18ATは天蓋部、6ATは前壁、2ATは後壁に認めた。術中にその他20ATを認め追加治療を要したが、全例において天蓋部ブロックライン作成に成功した。14ヶ月のフォローで初回治療後81%、2回治療後90.5%は再発を認めなかった。上記より超高密度マッピングによる頻拍回路とイスムスの同定が高い治療成功率に結びつくことを示した(Miyazaki, et al. BMC Cardiovasc Disord. 2022;22:57)。
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BMC Cardiovasc Disord .
巻: 22 ページ: 57
10.1186/s12872-022-02505-z.
J Am Heart Assoc.
巻: 10 ページ: e022384.
10.1161/JAHA.121.022384.