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2021 年度 実績報告書

がん治療関連心機能障害の早期診断・予防法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K08491
研究機関神戸大学

研究代表者

田中 秀和  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20590342)

研究分担者 杜 隆嗣  神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (50379418)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード心不全 / 心筋代謝 / グルタミン
研究実績の概要

心臓は組織重量当たり、最もエネルギー(アデノシン三リン酸;ATP)を消費する臓器の一つである。健常心筋では第一に脂肪酸、それに次いで糖を基質としたATP合成が行われる。一方、一部に乳酸、ケトン体、アミノ酸なども利用可能である。心不全のような病的状況下では、心筋のエネルギー基質の利用バランスが大きく変化する(代謝リモデリング)ことが知られている。具体的には、脂肪酸酸化の低下と解糖系の亢進、さらにケトン体の利用亢進や分岐鎖アミノ酸の代謝障害等が生じることが明らかにされている。このような代謝リモデリングは、心筋の代償的変化である心肥大や心筋線維化(心筋リモデリング)が起こる以前から認められ、心筋代謝と心筋リモデリングの進展機序には深い関連があることが知られている。
グルタミンは血中に最も豊富に存在するアミノ酸で、“グルタミノリシス”と呼ばれる代謝経路を介し、グルタミン酸を経てα-ケトグルタル酸 としてTCA回路へ流入する。培養心筋細胞では酸化ストレス下でグルタミノリシスが亢進し、ATPと抗酸化分子であるグルタチオンの合成を維持し、心筋保護的に作用していた。一方、マウスを用いた検討ではAngiotensinⅡで誘導した心筋リモデリングはグルタミノリシスの律速酵素であるGlutaminase1(GLS1)の阻害剤BPTESによりむしろ抑制された。その機序として、グルタミンは細胞構成に必要な核酸・脂質の元となるアスパラギン酸やクエン酸へも代謝されることで、心筋リモデリングの進展にも寄与していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of glutaminase 1-mediated glutaminolysis improves pathological cardiac remodeling2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa Sachiko、Nagao Manabu、Toh Ryuji、Shinohara Masakazu、Iino Takuya、Irino Yasuhiro、Nishimori Makoto、Tanaka Hidekazu、Satomi-Kobayashi Seimi、Ishida Tatsuro、Hirata Ken-Ichi
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology

      巻: 322 ページ: H749~H761

    • DOI

      10.1152/ajpheart.00692.2021

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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