研究課題/領域番号 |
19K08495
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小西 博応 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50459145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / 心不全 / 肺血管リモデリング |
研究実績の概要 |
不全患者数は、2030年には我が国において現在の約130万人に達することが推測され、高齢化社会を迎えていく上で、今後心不全患者の増加が見込まれている。特に、心不全患者は、PHを合併する頻度が高く、予後も悪いことが言われている。そのため、本研究は、2群PH患者の予後を如何に良くできるかの問いを立案した。近年、心不全診療で左室駆出率が保たれた心不全;Heart failure preserved ejection fraction (HFpEF)と駆出率が低下した心不全;HF reduced EF(HFrEF)に分類されているが、HFpEF患者においても推定肺動脈収縮期圧が48mmHg以上で48mmHg未満群と比較し予後が悪いことが報告され、2群PHの肺血管病変について注目されて来ている。2群PH発症メカニズムとしては、左房圧の上昇に伴い肺動脈圧が上昇しその結果、内皮機能障害が生じ一酸化窒素が低下及びエンドセリン-1が上昇し、血管収縮、肺血管リモデリングが生じる。2群PHの肺血管病変は、isolated post capillary PH(Ipc-PH)とDPG>7mmHgのCombined pre and post capillary PH(Cpc-PH)に分類される。Cpc-PHでは、PAH患者同様に、微小肺動脈の中膜が肥厚し肺血管抵抗が上昇しており、10年生存率は未治療PAH患者と同様に予後不良であることが報告されているが有効な治療法が確立されていないのが現状である。2群PHでは、肥満・メタボリックシンドロームの関係が言われている。近年、糖尿病治療薬SGLT2阻害剤が、心不全の予後を改善させることが証明されているが、そのメカニズムは不明な点が多い。本研究で、SGLT2阻害剤が、マウスの2群PHモデルで、PHを改善させることを見出しており、メカニズム解明を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症の拡大に伴い実験ができない期間があり遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
LR11欠損マウスに対し、TAC手術を行ったところ、術後死亡が多く、仮説の1つが証明できていない。2群PH病態解明にSGLT2阻害剤の有効性が証明できており、引き続き検討を行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れやコロナ感染症のため、現地開催の学会参加ができていないが、次年は積極的に発表をしていく予定である。
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