研究課題/領域番号 |
19K08501
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
神崎 裕美子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (80445999)
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研究分担者 |
伊藤 隆英 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00319550)
宗宮 浩一 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤講師 (20319544)
星賀 正明 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (90309154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心臓MRI / T1mapping / ストレイン |
研究実績の概要 |
心不全に対する治療は、この20年間で薬物療法・非薬物療法ともに大きな進歩を遂げたが、さらなる早期診断や患者個別の状況を加味した治療が必要となってきた。特発性、二次性などの心筋症の鑑別、病態の経時的な観察のためには、組織採取のリスクや被曝や造影剤の投与を行わなくてもよい侵襲性の低い検査が望まれる。 MRIは放射線被曝がなく高い精度の画像が得られる。本研究では、心臓MRIによるマルチマッピング(T1・T2・T2スター)と、心臓MRIの遅延造影、フォローアップ期間中のイベント発生の有無、生命予後との関連を解析し、心筋症患者における新たな心臓MRIの有用性について検討し、患者の身体的負担をより少なく、より多くの情報を得られる検査方法の開発につなげる。 シネMRIは16~40コマの動画として撮影する方法で、患者の体型などの影響を受けず、心機能や心筋重量計測値の再現性が高く、造影剤や放射線被曝の影響を受けない特徴を持ち、現在最も正確な心機能計測法と考えられている。心臓MRIによる心筋ストレインは、通常のシネ画像よりを解析する方法で各方向の心筋のストレインTransversal strain, Radial strain ,Longitudinal strain, Circumferential strain, Torsionの計測が一度に解析可能である。通常のシネMRIで追加計測できるため、追加撮影が必要なく、過去の画像に追加解析も可能で、さらに簡便な方法といえる。
今年度は、拡張型心筋症におけるreverse remodelingをきたした症例にnative T1値、T2値が予測可能かについて、また肝臓のT1マッピングが残うっ血の予測になることを米国心臓病学会に発表をおこなった。さらにストレイン解析を開始して120例の解析を行っている。さらに予後情報の収集に努める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ患者における対応で、一時的に入院外来数が激減したため、対象症例の検査も減ったたことと、学会の中止もあり、論文投稿中であり、遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ストレインの解析を進めるとともに、心内膜生検が行われた症例については、心筋の線維化の程度(%)、肥大の程度、心筋空胞化や錯綜配列ついて検討開始している。間質への蓄積物や、炎症細胞の浸潤を認める場合には、特殊染色、免疫染色で沈着物や細胞種を同定する(目標症例数50症例)。それらのマルチマッピングの値、ストレイン値との関連を検討する予定である。心筋症の実態把握と生理的な意義について解析し、将来的な治療方針改変につなげたいと考える。また予後の情報の収集につとめる
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナで学会の参加延期した。また論文英語チェック、および投稿費用、バイオマーカー、データ解析費用を延期しているため、論文作成と同時に使用予定である。
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