研究課題
これまでに210例の特発性心室細動(VF)患者の全エクソン解析(WES)データのMappingを行い、既存の疾患関連遺伝子の変異(病的バリアント)があるものを除外(本結果については現在論文の投稿を予定)、残りのサンプルにおいてVF患者における何らかの共通する遺伝子異常・多型を検索中である。QT延長症候群(n=1656)におけるゲノムワイド関連解析を国際共同研究にて実施、リスク因子としてNOS1AP, KCNQ1, KLF12, KCNE1-D85NなどのバリアントがQT延長に影響することを示した(Circulation 2020 in press).またLQT5について、国際登録研究を実施し32例のKCNE1バリアントが89家系で同定された。本成果はCirculation 2020Feb に掲載された。LQT1約1000例について日本人LQTデータおよび院内の登録症例からの病的変異・バリアントをACMG分類にてPathogenic, Likely pathogenic, VUS(variant of unknown significance)にわけてリスク評価を実施した。その結果ACMG分類、QT時間、発端者、変異部位の4つがLQT1患者のリスク階層化に有用であった。(本結果は現在論文投稿中)。さらに過去のLQT遺伝子がみつからなかった症例に対して次世代シーケンサーを用いて網羅的にLQTやその他不整脈関連遺伝子をスクリーニングし、それでも原因遺伝子を有さないLQT genotype-unknown症例について、予後を調査検討した。特発性VF患者のサンプルについては約20例の全ゲノム解析のデータも解析中である。
3: やや遅れている
2020年1月以降COVID-19感染拡大の影響もあり、共同研究者との打ち合わせや研究活動そのものに影響があり、ゲノムデータを人工知能(AI)による解析については一層の遅延が予想される。
全エクソンおよび全ゲノム解析結果のデータをもとにVF発生に関する遺伝的多型の同定を予定しており、そのためにAIを利用した解析を予定している。リスク因子の重み付けを行い、遺伝子異常についてはPolygenic Risk Scoreを計算する
新型コロナウイルス感染拡大のため、2020年1月以降研究を一時中断せざるを得なかったため。今年度前半に遅れているゲノムワイド関連解析において使用を予定している。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件)
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