研究実績の概要 |
先天性QT延長症候群(LQTS)を中心に、Brugada症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍、その他洞不全症候群などの原因遺伝子:KCNQ1, KCNH2, SCN5A, KCNE1, KNCJ2, RYR2などを解析し遺伝性不整脈に関連する236バリアントを登録した。 先天性QT延長症候群1型(LQT1)853例(発端者485例)を対象にKCNQ1遺伝子の合計139バリアントについてACMG/AMPガイドライン分類を用いて疾患原因との関係度を病的:Pathogenic, 病的の可能性が高い:Likely pathogenic, 病的意義不明:VUS(:variant of unknown significance)に分類し、バリアントの部位や臨床所見:QTc時間とともに失神発作のリスクを評価した。 先天性LQTSおけるGWASを用いた国際共同研究から、Common genetic variantであってもQT延長に影響することを発表し、またKCNQ1, KCNH2, SCN5Aのバリアントによる表現型との関係を報告した(Circulation. 2020 Jul 28;142(4):324-338)。 Brugada症候群におけるSCN5AバリアントをGenetic risk scoreを用いて評価を行った。(Circ Genom Precis Med. 2020 Dec;13(6):e002911. ) さらに2020年度は次世代シーケンサにて不整脈関連62遺伝子を搭載したパネル解析を116例に実施し、また遺伝性が疑われる心筋症についても心筋症関連43遺伝子を搭載した遺伝子パネル解析を8例に実施した。 今後はこれらのバリアントについてAIを用いた解析を予定している。
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