今後の研究の推進方策 |
私達は、低酸素に加えVEGF-R抗体を用い、よりヒト肺高血圧の病態に近いマウスモデルを作製した。このモデルマウスを用い、平滑筋分化マーカー発現とOPG,ubc9,SUMO1の発現を検討する。具体的には現在までにPIAS1, ubc9、SUMO1等の発現部位が同定できたため、PIAS1やubc9のアデノウイルスベクターを用いて、前述した肺高血圧の病態モデルマウスに投与し、右室重量や右心圧を測定する。同時に平滑筋分化や炎症性サイトカイン、OPFの発現を検討する予定でである。また、上記モデルマウスの血清を用い、TGFbeta、OPG、IL1alpha/beta、FGF2等の肺高血圧発症・進展に関与すると考えられる因子の発現変化について、EILSAを用いて検討する。 さらに、私達は現在までに、血管平滑筋においてFGF23が血管石灰化を抑止することを示した。現在までに肺血管平滑筋の増殖と石灰化の機序が示されているため、その観点からFGF23をアデノウイルスを用いて強制発現させることによるOPG, Msx2, BMP4などの発現にPIAS1やSUMO化が関与しているかどうか、PASMCや前述の肺高血圧モデルマウスとアデノウイルスベクターを用いて検討する。
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