本研究は肺動脈高血圧症の発症と進展における血管平滑筋細胞分化誘導の調節異常の観点から、PIAS1やSUMO化の機構を明らかにすることを目的とした。肺高血圧モデルマウスにおいて、SUMO化E3リガーゼ活性を持つPIAS1やE2酵素であるubc9の肺高血圧肺動脈部位での発現を明らかにした。さらに、PASMCにおいて、TGFbetaによる平滑筋分化マーカー誘導や血管石灰化因子であるOPGの発現誘導にPIAS1とubc9などのSUMO化シグナル、Notchシグナル等が関与する事、さらに、FGF23におけるOPG発現誘導やRunx2,Msx2の発現抑制にはSUMO化が関与する可能性がある事を示した。
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