静脈血栓(DVT)は「凝固因子、血管内皮、血流」などの因子がそれぞれ異なる部位、時間で複合的に働くことで形成される。それゆえ、単一細胞の培養系や、位置情報のない生化学的解析、死後の病理サンプルでは疾患理解は困難である。研究代表者はこれまで「生体イメージング」によって血栓の病態の可視化、解明に挑戦してきたが、最近、ヒトDVTに類似した新規のDVTイメージングモデルの開発に独自に成功した。この新規DVTモデルによって、複数の細胞(血小板や赤血球など)や分子(フィブリン、組織因子など)の動態を時間軸をもって、観察、解析し、DVTの形成から器質化に至るまでの病態を解明した。
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