研究実績の概要 |
1.JCADの血栓症発生への影響の解明 まず、JCADが血栓形成を制御しているか否かを直接的に確認するために、JCAD-/-マウスと野生型マウスにおけるDVTサイズを比較する。具体的には下大静脈を結紮後、day 4, 7, 14に血栓サイズをJCAD-/-マウスと野生型マウスの間で比較する。JCAD-/-マウスでは、DVTサイズが野生型と比べて、大型になるという結果を得た。 2.生体イメージングによるJCADの血栓形成制御機構の解明 研究分担者の原哲也が独自に開発した(特許申請済み)血栓モデルにより、血栓が形成される瞬間をリアルタイムに観察可能となった。血栓形成には白血球の血管内皮への接着が重要であることから、白血球をローダミン6Gで蛍光標識し、血栓形成の瞬間における白血球の動態を生体下に可視化、定量する。その他、蛍光標識抗体を用いて接着因子やフィブリン、MMPsenseによる炎症活性などを、生体下の血栓で可視化する。すなわち、血栓形成におけるこれら白血球浸潤や接着因子、凝固カスケードから炎症活性をJCAD-/-マウスにおいて解析し、JCADが血栓形成のどの過程に影響しているかを明らかにする。我々は、JCAD-/-マウスにおいて、実際に二光子顕微鏡などを用いた生体イメージング技術を応用することに成功した。
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