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2020 年度 実施状況報告書

大動脈瘤化の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K08521
研究機関宮崎大学

研究代表者

鶴田 敏博  宮崎大学, 医学部, 准教授 (10389570)

研究分担者 畠山 金太  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60325735)
山下 篤  宮崎大学, 医学部, 准教授 (90372797)
澤口 朗  宮崎大学, 医学部, 教授 (30336292)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード大動脈破裂 / 動脈瘤 / 骨代謝因子 / アンジオテンシン / 平滑筋細胞
研究実績の概要

本研究課題は、本来、骨代謝因子として知られるオステオプロテゲリン(OPG)の血管壁における役割を明らかにすることであった。昨年度までの検討では、OPG遺伝子欠損マウスにアンジオテンシンIIを1か月間投与すると破裂死、または血管解離する個体が多いことを明らかとした。また組織学的検討では、OPG遺伝子欠損マウスではエラスチン線維の断裂を多く認めた。一方で、RANKL(Receptor activator of NF-kappaB)遺伝子過剰発現マウスにアンジオテンシンIIを1か月投与しても破裂死や血管解離の頻度が少なかったため、OPGにはRANKLに依らない固有の作用があるのではないかと考えた。本年度は、OPGの血管保護作用の機序の解明について実験を進めた。マウス血管壁におけるOPG免疫活性部位はプロテオグリカンの存在部位に一致した。さらに、リコンビナントOPGをヒト大動脈由来の平滑筋細胞に添加すると同細胞内シグナルのリン酸化を促進することを見出した。このリン酸化の促進効果は、プロテオグリカン結合部位を除去したリコンビナントOPGでは減弱することからプロテオグリカンとの結合を介した生理活性を有する可能性が示唆された。ヒト腹部大動脈壁でも、免疫沈降法にてOPGがプロテオグリカン分解産物と結合して存在することを見出した。これまでの研究成果からは、OPGがプロテグリカンと結合して血管の構造維持に重要な役割を担っている可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在、論文を投稿中である。

今後の研究の推進方策

査読結果を待って、論文を仕上げたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の流行により学会出張がなかったことと、物品納入が滞ったため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The Cytokine Expression in Patients with Cardiac Complication after Immune Checkpoint Inhibitor Therapy2021

    • 著者名/発表者名
      Tsuruda T, Yoshikawa N, Kai M, Yamaguchi M, Toida R, Kodama T, Kajihara K, Kawabata T, Nakamura T, Sakata K, Hatakeyama K, Gi T, Asada Y, Tono T, Kitamura K, Ikeda R
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 60 ページ: 423-429

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.5317-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 心血管保護因子としてのオステオプロテゲリン2020

    • 著者名/発表者名
      鶴田敏博、小出雅則、中道裕子、中村美どり、宇田川信之、北村和雄
    • 学会等名
      第62回歯科基礎医学会学術大会
    • 招待講演
  • [図書] 循環器疾患 最新の治療2020-20212020

    • 著者名/発表者名
      鶴田敏博、北村和雄
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      南江堂
    • ISBN
      978-4-524-24976-3

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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