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2019 年度 実施状況報告書

新しい脆弱プラーク評価法の確立に向けた血管内放射線検出カテーテルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K08524
研究機関順天堂大学

研究代表者

藤本 進一郎  順天堂大学, 医学部, 准教授 (70385871)

研究分担者 中原 健裕  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00599540)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード血管内放射線検出カテーテル / 不安定プラーク / 心臓核医学 / 分子イメージング
研究実績の概要

ファントム実験における血管内放射線検出カテーテルのトレーサー取り込み量の評価を行った。
アクリル板に直径2mm、深さ1.3mmの穴を10mm間隔で5つ作成し、18F-FDGを希釈したものを4ul注入した。希釈方法は3.8MBq(4ul)のトレーサーに20ulの水を入れ希釈①。24ul中、4ulを測定用にチューブに入れた。また4ulは水28ulを加え、8倍希釈②。その後15ulと水15ulを加えることで2倍希釈をした。①を1としたとき②1/8③1/16④1/32⑤1/64の5種類の濃度を作成した。血管内放射線検出カテーテルを5つの穴に沿うように乗せ位置を微調整した後、カウントが一番高くなる位置を開始位置として60秒間測定を行った。その後は1cmずつ用手でカテーテルを右側に移動し、測定を繰り返した。また再現性を観察するために15分後再度同様の実験を行った。
1回目、2回目(15分後)とも放射能とカテーテルによるカウントとの関係はR² = 0.9382、R² = 0.9432と非常に良好な相関を認めた。しかし、現在臨床で18F-FDGをヒトに投与している量から計算上の冠動脈プラークに到達する放射能は27kBqであるが、今回のファントム実験におけるカテーテルでのカウントは10cps前後と非常に低い結果であった。その後直接カテーテルに342kBq/4ulの18F-FDGを垂らすことで、測定時間とカウント数の推移についても評価を行った。カウントは40秒後くらいから徐々に増加し始め、約1分でカウント数は最大かつ平衡状態に達した。これによりカテーテルの計測には1分近い時間が必要であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ファントム実験の結果、当初の予想よりカテーテルの感度が低いこと、またカウント数が安定するまでに時間を要することが判明したため今後の動物実験プロトコールの一部修正が必要となった。またCOVID-19の感染拡大により実験室における追加のファントム実験や動物実験のための動物の飼育や実験準備が一時中断されている。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り動脈硬化モデルウサギにF-FDGもしくはF-NaFを投与し大動脈の動脈硬化病変に集積したF-FDGもしくはF-NaFの取り込みを検出可能か評価する。兎大動脈バルーン障害モデルを作製し、高コレステロール食を約3か月継続投与することにより、大動脈に動脈プラークを作製する。動脈硬化が進展した段階で、ウサギにF-FDGもしくはF-NaFを投与し、大腿動脈から血管内放射線検出カテーテルを挿入しエコーを使ってカテーテルの位置を同定しながらそれぞれの放射量を測定する。その後安楽死させ大動脈を摘出し、カテーテルによるカウントとオートラジオグラフィーとの整合性について評価する。またその後、連続切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色を行うとともに、大動脈の動脈硬化病変におけるマクロファージに対しCD68をmicrocalcificationにはVon kossaを用いて染色を行い実際のカテーテルでの取り込みとの相関についても検討する。実験計画においてファントム実験でカテーテルの感度が低いことやカウント数の平衡状態に1分要することから、心筋の取り込みによるバックグラウンドの影響を受けにくいF-NaFの使用の積極的検討や、従来の計画より投与量を多くすることや計測時間を長くするといった工夫を行う。

次年度使用額が生じた理由

ファントム実験に使用した費用が予定より低予算であった。また当該年度は本研究に関連する学会発表による出張を行わなかった。次年度は動脈硬化モデルを用いた動物実験を行う予定であり、実験動物の飼育やモデル作成や実験後の病理標本作成、放射性医薬品の購入やオートラジグラフィーにかかる費用に使用する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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