研究課題/領域番号 |
19K08524
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤本 進一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70385871)
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研究分担者 |
中原 健裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (00599540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 血管内放射線検出カテーテル / 不安定プラーク / 心臓核医学 / 分子イメージング |
研究実績の概要 |
令和3年度は引き続き動脈硬化モデルウサギに18F-FDGもしくは18F-NaFを投与し大動脈の動脈硬化病変に集積した18F-FDGもしくは18F-NaFの取り込みをカテーテルで検出可能か評価した。前年度の実験でカテーテルによる病変における18F-FDGの取りこみの違いは評価できたものの実際のカウント量は低く、非常に感度が低かったため今回はex vivoによる評価も加えて行った。生後12週のニュージーランド白色家兎の大動脈にバルーン障害を加えた後、1%コレステロール食を2か月与え動脈硬化モデルを作成した(令和2年度はバルーン障害後コレステロール食投与3か月後のモデルを作成した)。その後前年度と同様30MBqの18F-FDGを投与し、2時間後にヘパリン投与下でカテーテルを大動脈に挿入し、1か所1分測定し1cmずつ用手で pull backを行い放射線の取り込みを評価した。その後大動脈を摘出し、ex vivoにて同様に1cmごとの測定を行った。最後にオートラジオグラフィーを行った後、1cmごとに切断しγcountingをした。γ countingの結果では、今年度の実験に用いたバルーン障害後コレステロール食投与2か月後の病変の方が3か月後の病変よりカウントが高い傾向にあった。またin vivoに比較して、ex vivoではカテーテルでより高いカウント量を得ることができた。 また同様の動脈硬化モデルウサギを用いて30MBqの18F-NaFを投与し18F-FDGと同様のプロトコルでカテーテルでの検出能を評価した。しかし18F-FDGに比較して18F-NaFではカテーテルでのカウント量は低い結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度同様COVID-19の感染拡大により動物の飼育や実験準備が中断したことに加え、飼育棚が故障したことやin vivoにおいて大動脈ヘのカテーテル挿入での測定時にカテーテル損傷が起こったことにより実験の進行は予定よりかなり遅れている。またin vivoではex vivoに比較し十分なカウントが得られないことやin vivoの後にex vivoを行うとかなり製剤投与から時間がたってしまうため、最も感動良好に動脈硬化への取り込みを評価できる実験プロトコルの再考を必要とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度であるため複数の動脈硬化モデルウサギで大動脈の動脈硬化病変に集積した18F-FDGもしくは18F-NaFの取り込みに対するカテーテルでの検出能を評価し、その有用性を確立する。カテーテル損傷の危険性やin vivoに比較し十分なカウントを得られることよりex vivoのみの施行とし、その取り込みとオートラジオグラフィーやγ countingとの相関やHE染色、CD 68 染色、RAM-11染色、Von-kosssa染色といった病理所見との関連を評価する。またバルーン障害後コレステロール食投与2か月後の病変の方が3か月後の病変よりカウントが高いことからバルーン障害後2か月後のモデルを使用し、in vivoを施行しないため製剤投与2時間後からex vivoの測定を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響もあり、動物実験を予定より進めることができず予想額より低予算であった。そのため当該年度も本研究に関連する学会発表による出張を行わなかった。次年度は引き続き動脈硬化モデルを用いた動物実験を行う予定であり、実験動物の飼育、モデル作成や実験後の病理標本作成、放射性医薬品の購入やオート ラジグラフィーにかかる費用に使用する予定である。
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