ヒトの脱毛を伴う顎顔面骨形成不全症の一部に、GPCRであるエンドセリンA受容体 遺伝子異常が発見され、我々はその一塩基変異モデルマウス等の作成と薬理学的実験を施行し、機能獲得変異であることを見出した。その1アミノ酸変異によってどのようにして機能獲得するかを動力学シミュレーションを用いてその構造変化から明らかにした。303番目のグルタミン酸からリジンへの変異ではヘリックス間の水素結合が消失することでアロステリックにリガンド結合部位の状態を変化させ、129番目のチロシンからフェニルアラニンへの変異ではNa-waterポケットを縮小させることにより、親和性を上げ機能獲得したと考えられた。
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