研究課題
遺伝性大動脈疾患は病因遺伝子の解明が進み、診断が適切に行われるようになったが、まだ未診断で発症予防にむけた管理が行われていない症例も少なくない。本研究は、疾患コホートを用いて、未診断で病変を有する症例の検出法の評価、検出方法の確立により、遺伝学的検査の改善をめざすとともに、病型分類につながる遺伝型についても検討した。本研究では、遺伝性動脈疾患につき利用可能な患者試料と情報を用いて、①当該患者の把握、②高精度の診断につながる解析方法の確立、③新規病因遺伝子の探索をめざした。これにより、遺伝性動脈疾患の診断、治療につながる学術基盤と情報基盤を得て、致死的な疾患イベントにつながりやすい大動脈疾患の克服にむけた知見を獲得した。2019年度に27万人の疾患コホート患者から抽出した大動脈疾患既往歴を有する若年患者43症例についてのゲノムDNAを用いてのエクソーム解析を行い、大動脈疾患の克服にむけた新知見の獲得をめざした。さらに、これまでに実施した研究と国外の研究者との情報共有により、新規病因遺伝子としてPMEPA1遺伝子を同定した。また、エクソーム解析結果を用いてPMEPA1遺伝子バリアントの評価を行った。今年度はさらに国外の研究者との情報共有を進め、PMEPA1遺伝子についての変異症例の表現型解析、家系解析を進めて病因ならびに病態の解明を推進した。今後、さらに国外の研究者との情報共有を進め、新規病因遺伝子の探索ならびに表現型解析により遺伝性大動脈疾患の病態解明を進める。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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