遺伝性致死性不整脈疾患は器質的心疾患のない若年者にも突然死を来し得り、社会的影響が大きく、根本的な治療法が確立されていない。本研究対象のカルモジュリン変異による遺伝性不整脈疾患は、稀ではあるが非常に重篤な不整脈を呈する。我々は、カルモジュリン変異によるカテコラミン誘発性多形性心室頻拍のiPS細胞モデルを初めて確立し、重度の催不整脈性を再現することに成功した。また、本モデルを用いた薬効評価の知見は治療法に関するアンメット・メディカル・ニーズが大きい本疾患において臨床的に大きな意義があると考えられ、今後の新規治療法開発の強力なプラットフォームとなり精密医療への貢献が期待される。
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