心不全などの心臓疾患やアテローム性動脈硬化症の発症・進展に小胞体ストレスが深く関わっていると報告されている。 血管平滑筋細胞においてカルモジュリン(CaM)のリアノジン受容体(RyR)に対する結合親和性を高めることが、小胞体ストレスの軽減や動脈硬化巣に認められる形質転換した血管平滑筋細胞の発生抑制につながることを証明した。さらにCaMが核内へ移行することで、血管平滑筋細胞の形質転換を刺激するシグナル(MEF2、KLF5)の活性化につながることも証明した。また、RyR安定化薬であるダントロレンはCaMの核内移行を抑制、その結果MEF2、KLF5の活性を抑制し、形質転換を防ぐことがわかった。
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