研究課題
目的:ネクロプトーシスと拡張型心筋症の病態との関連を解明すること.方法:拡張型心筋症(DCM)連続56例(56±15歳,男性 68%)を対象とし,ネクロプトーシスシグナル活性化の指標として,心筋生検標本でのリン酸化MLKL(p-MLKL)の発現量を免疫染色で定量した.全死亡,心不全・心室性不整脈による再入院をイベントと定義した.培養ラット心筋芽細胞を用いて核MLKL過剰発現系を作成し,Zombi-Red染色で細胞死を定量した.結果:正常心筋(3例)と比較し,DCM では心筋細胞の細胞質,介在版および核でp-MLKLの発現が亢進していた.中央値3.5年の観察期間におけるイベント発生率は,核p-MLKLが中央値以上の群では低値群と比較し有意に高値であった(96% vs. 68%).MLKLの核外輸送シグナルに点変異を加えて作成した核MLKL過剰発現細胞では,野生型MLKL発現細胞と比較しネクロプトーシスが増加していた(80.0±3.5% vs. 6.3±1.3%). MLKLの核外輸送シグナルに点変異を加えて作成した核MLKL過剰発現細胞におけるネクロプトーシスは、RIP1阻害薬やRIP3ノックダウンにより抑制されなかった。結語:核におけるリン酸化MLKの増加はDCMの予後不良と関連し,その機序に心筋細胞のネクロプトーシス誘導が関与することが示唆された.
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