研究課題/領域番号 |
19K08555
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
福山 恵 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60625771)
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研究分担者 |
大野 聖子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (20610025)
堀江 稔 滋賀医科大学, アジア疫学研究センター, 特任教授 (90183938)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リアノジン受容体遺伝子 / カテコラミン誘発性多型性心室頻拍 / QT延長症候群 |
研究実績の概要 |
延べ680名の遺伝性不整脈疾患を有する発端者を抽出し、遺伝子解析を行った結果138名のリアノジン受容体遺伝子(RYR2)変異を同定した。内訳はカテコラミン誘発性多型性心室頻拍が86名、QT延長症候群が27名、特発性心室細動が8名、その他伝導障害や若年性心房細動など低頻度のものが17名であった。これらの各疾患群において、心電図学的特徴や遺伝学的特徴、臨床的特徴を解析した。 RYR2遺伝子変異を有する遺伝性不整脈の症例では有症状が圧倒的に多く(86%)、そのうち約半数が心室細動やtorsade de pointsなどの致死的不整脈に至っていた。また、カテコラミン誘発性多型性心室頻拍・QT延長症候群の患者群においては平均年齢が17~20歳と若年であった。男女比には有意差は認めなかった。 リアノジン受容体蛋白における変異の部位は疾患群ごとに好発部位がある傾向にあった。この好発部位の違いが、臨床像への違いに反映されているものと推察している。 遺伝性不整脈疾患においてRYR2遺伝子変異の存在と臨床像の重篤化に関連があり、早期の遺伝子検索が重要であろうと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当施設に蓄積したコホートからリアノジン受容体遺伝子変異をもつ患者群を同定し、臨床像の傾向を把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は初年度に蓄積したRYR2遺伝子変異キャリアのコホートにおいて、現時点で得られた知見をまとめ学術集会にて発表予定としている。 またそれぞれの疾患群から代表的なアミノ酸変異をピックアップし、機能解析を含めた電気生理学的解析を行う予定である。
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