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2019 年度 実施状況報告書

網羅的遺伝子解析によるリポ蛋白(a)代謝新規関連分子の探索とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K08575
研究機関金沢大学

研究代表者

多田 隼人  金沢大学, 附属病院, 助教 (90623653)

研究分担者 岡田 寛史  金沢大学, 附属病院, 特任助教 (10735161)
野村 章洋  金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (30707542)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードリポ蛋白
研究実績の概要

リポ蛋白(a)[Lp(a)]はLDL類似のリポ蛋白であるが、LDLとは独立し、冠動脈硬化症、大動脈弁狭窄症などの動脈硬化性疾患と関連することが知られる。疫学研究のみならず、遺伝学に基づいたメンデルランダム化研究からは、大動脈弁狭窄症とLp(a)の、LDLとは独立した強い関連が示され、Lp(a)の制御による大動脈弁狭窄症の進展抑制への可能性が期待されている。今回の研究では家族性にLp(a)値が著明な高値ないしは低値を示す家系に対して全エクソームシークエンス解析を行いLp(a)を制御する新たな原因分子を同定し安定同位体を用いた代謝実験(in vivo)、疾患特異的iPS細胞(in vitro)を用いた代謝実験によりそのメカニズムを明らかとすることとする。Lp(a)を制御する新たな分子を同定し、そのメカニズムを明確とすることである。これまでLp(a)に関連した新たな原因分子の同定の試みは皆無であり、また極端な症例の集積による関連解析についても国内外含めて新規である。現時点で10家系・合計で24名に及ぶ全エクソームシークエンシング解析を行ったが6番染色体のLPA遺伝子に既知の多型を認めるのみである。一方で並行した調査した臨床検体の解析から、Lp(a)濃度と冠動脈疾患に加えて、慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)とが関連していることを明確とした。日本人におけるこのようなデータは希少であるほか、Lp(a)濃度の分布など大変貴重なデータであろうと思われる。さらにはこの事実により新たな分子の同定により、冠動脈硬化症や大動脈弁狭窄症などのいわゆる循環器疾患のみならず、慢性腎臓病に対する治療戦略の新たなブレイクスルーとなりうる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初は初年度で25家系の解析を予定していたが10家系の解析に留まっており、新規原因分子の同定には至っていない。一方で同時並行して解析した臨床データからはLp(a)濃度と慢性腎臓病(CKD)とが関連していることを明確とした。

今後の研究の推進方策

引き続き極端な値を呈する家系の解析を勧め、新規分子の同定を目指す。また計画に沿い安定同位体を用いた代謝実験やiPS細胞を用いた機能解析も計画する。

次年度使用額が生じた理由

計画に沿い全エクソームシークエンス解析や新規分子の機能解析に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Lipoprotein(a) and the Risk of Chronic Kidney Disease in Hospitalized Japanese Patients2020

    • 著者名/発表者名
      Tada H, Yamagami K, Nishikawa T, Teramoto R, Sakata K, Takamura M, Kawashiri MA.
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: - ページ: -

    • DOI

      -

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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