研究課題/領域番号 |
19K08576
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
夛田 浩 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70270957)
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研究分担者 |
宮崎 晋介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 特命講師 (60787711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 第Xa因子阻害薬 / 心房細動 / カテーテルアブレーション |
研究実績の概要 |
本年度は, 106例の患者エントリーを行った.患者背景としては,男性: 68例 (64%),平均年齢: 66±10歳,発作性心房細動: 63例 (59%),持続性心房細動: 43例 (41%),左心房径: 38±6 mm,左室駆出率: 63±9%であった.第Xa因子阻害薬内服の内訳は,アピキサバン: 42例 (40%),ダビガトラン: 26例 (24%),リバーロキサバン: 19例(18%),エドキサバン: 19例 (18%)であった.術前ベースラインの心臓CTでの心外膜脂肪量は114±49 mLであった.術前採血では,高感度CRP: 0.1±0.1 mg/dL, Pentraxin3: 3.4±5.0 ng/mL,TAT: 2.4±5.5 ng/mL,Dダイマー: 0.5±0.1 ng/mL,可溶性フィブリンモノマー: 1.8±2.8 ng/mL,type IVコラーゲン: 105.8±62.8 ng/mL,ADMA: 0.4±0.1 μmol/Lであった.アブレーション中の心房電位マッピングにおいて低電位領域を認めた症例は11例 (10%)であった.また冠動脈に有意狭窄を認めた症例は13例 (12%)であった.現時点で3ヶ月フォローアップまで終了した症例は58症例,6ヶ月フォローアップまで終了した症例は24症例であった.6ヶ月フォローアップまで終了した24症例のうち,継続症例は9症例, 中止症例は15症例であった. 術後3ヶ月以降で心房細動の再発を認めた症例は2症例で, いずれも継続症例であった.今後症例数をさらに増やしたところで傾向スコアマッチングを行い, 2群間の患者特徴,交絡因子を調整したところで,患者フォローアップデータをもとにして2群間の比較を行う. また2群間の差異を詳細に検討し,炎症の抑制・心房のリモデリング抑制・心房細動再発抑制という観点から検討を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者エントリー数も予定通りで, その後の外来でのフォローアップ検査も概ね問題なく施行できている.
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今後の研究の推進方策 |
アブレーション施行患者のフォローアップを行うと共に,本研究から得られたデータ,および患者フォローアップデータをもとにして,2群間の差異を詳細に検討し,炎症の抑制・心房のリモデリング抑制・心房細動再発抑制という観点から検討を行う.傾向スコアマッチングを行い,2群間の患者特徴,交絡因子を調整する.またどのような症例において,第Xa因子阻害薬継続の意義が大きいか検討し,患者臨床データも組み合わせることでその妥当性を評価する.本研究から得られた結果を学会・論文報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
まとめて検体測定を依頼した方が費用が抑えられる外注検査項目が複数あったため次年度使用額が生じた. 次年度使用額は外注検査項目の測定費用に用いる予定である.
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