研究課題
2022年12月にマサチューセッツ総合病院(MGH)のBouma教授から提供されたPS-OCTが搬入され、臨床使用が可能となった。冠動脈疾患患者15例の冠動脈に対してPS-OFDIを行い、冠動脈責任病変15病変(脂質性プラーク;9病変、石灰化病変;6病変)についてPS-OCTと従来のFD-OCT所見を比較した。脂質性プラークの平均線維性被膜厚は162μmで、偏光度画像から得られた線維性被膜厚は、光強度画像における手動計測と良好な相関がえられた(r=0.92、p<0.001)。さらに、偏光度を用いた線維性被膜のマクロファージの客観的検出のため、NSD(normalized standard deviation)と比較した結果、ρ=0.13(p=0.062)と両者の相関傾向を認めた。複屈折画像から、線維性被膜の厚さと複屈折の有意な相関を認めた(r=0.32, p<0.05)。また、急性冠症候群患者の責任病変(n=2)と慢性冠症候群の標的病変(n=3)をPS-OFDIとNIRS-IVUSを用いて観察した。IVUSとOFDIの内腔面積、血管面積は良好な相関を示した。今後は偏光度を応用して、脂質・壊死性コアを検出するメトリックを開発し、NIRS-IVUSによる脂質コアインデックスと比較を行う計画である。さらに症例数を増やし、画像解析を追加し、プラーク組織の解析を行い、他の画像所見とも比較することでPS-OCTの臨床的有用性を確立し、論文投稿する予定である。また、2021年11月の米国経皮的心血管治療学会(TCT2021)で報告したOCTによる冠動脈プラーク性状判定の国際多施設共同研究は論文化し、現在投稿中である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 12件、 招待講演 15件)
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