研究課題/領域番号 |
19K08597
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高宮 里奈 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (70365419)
|
研究分担者 |
齋藤 充史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00768939)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 肺胞微石症 / COPD / 特発性肺線維症 / リピドミクス解析 / 肺サーファクタント |
研究成果の概要 |
本研究では、種々の肺疾患モデルマウス(肺胞微石症、喫煙曝露、肺線維症)における脂質や肺サーファクタントの変化を検証することを目的とし、検証を行った。肺胞微石症モデルでは、肺胞に微石の蓄積とCOX-2の発現上昇に伴う炎症性メディエーターの産生の亢進をもたらすが、これらはリン吸着剤の投与により抑制できることを示した。喫煙曝露モデル肺では肺サーファクタント中のSP-Dがカルボニル修飾を受け、これによりタバコ煙による自然免疫機能の低下の一因になることを見出した。ブレオマイシン誘発全身強皮症モデルの線維化を受けた肺では、線維化に関わる肺胞II型上皮細胞で特異なPLA2の発現の亢進がみられた。
|
自由記述の分野 |
呼吸器内科学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回ターゲットとした肺胞微石症、喫煙曝露モデル、特発性肺線維症は、これまで根本的な治療法が開発されていない難治性呼吸器疾患です。肺胞微石症では、リン吸着剤を用いた治療法や、炎症性の脂質メディエータが病態の改善のマーカーとなりうる可能性を見出しました。また、喫煙曝露モデルでは、喫煙による自然免疫機能の低下に、肺サーファクタントへのアルデヒドによる修飾が関わることを示しました。特発性肺線維症モデルでは、肺と肺胞洗浄液中での脂質環境変化の違い、また線維化に特異なPLA2の発現があることを見出しました。以上の結果は、今後の治療標的、新たなバイオマーカーの開発につながる研究になると考えます。
|