肺癌の抗腫瘍免疫に関して、当初の標的としたセマフォリン7Aではなく、セマフォリン4Aが関与する新しい機序を発見した。インターロイキン33(IL-33)が樹状細胞(DCs)のセマフォリン4A(SEMA4A)発現を誘導し、細胞傷害性T細胞(CTLs)を活性化させた結果、IFN-γを介する著明な抗腫瘍免疫反応が生じた。SEMA4Aノックアウトマウスでは、この効果は認められず、IL-33の抗腫瘍免疫にとってSEMA4Aが必須であった。腫瘍微小環境におけるDCsとCTLsの、IL-33誘導性・SEMA4A媒介性の相互活性化メカニズムは、これまでに知られていない新規の機序である。
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