研究課題/領域番号 |
19K08605
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
内田 章文 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (40707923)
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研究分担者 |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
水野 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (50531414)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 分子細胞呼吸器学 / マイクロRNA / 肺扁平上皮癌 |
研究実績の概要 |
肺扁平上皮癌は、初診時に既に、遠隔転移を有する進行した状態で発見される症例が少なからず存在する。肺癌に対する化学療法が進歩した現在でも、肺扁平上皮癌・進行症例に対する有効な治療法は限られており、患者の生命予後は極めて不良である。最近、2次治療以降やPD-L1が高発現している肺扁平上皮癌症例に対して、免疫チェックポイント阻害剤の適応が認められた。しかし、有効性を示す症例は、2割程度にとどまり、多くの患者に対しては、その効果が認められない。現在のあらゆる治療法に抵抗性を示す肺扁平上皮癌細胞ではどのような病態が生じているのか、この分子機序を解明する事が、本疾患の新規治療法へ向けて重要な情報を提供できると考える。申請者は、これまでに、肺癌患者の血液からエクソソームを分離し、エクソソーム由来マイクロRNA発現プロファイルを作成している。更に、マイクロRNAを起点とした機能性RNAネットワークの探索法を独自に考案し、肺癌の新たな分子経路を探索してきた。そこで本研究では、この方法論を、申請者の臨床施設に保存されている、免疫チェックポイント阻害剤を使用した患者血液検体に適応させ、治療抵抗性関わるマイクロRNAを見つけ出し、マイクロRNAが制御する機能性RNAネットワークの探索を行う。あらゆる治療に抵抗性を示す肺扁平上皮癌の特異的な分子経路を見つけ出し、その経路を遮断する戦略を考案することを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
肺扁平上皮癌患者の血液・組織由来のマイクロRNA、遺伝子発現プロファイルから、候補となる癌促進型マイクロRNA、癌促進遺伝子に着目し、肺扁平上皮癌細胞株へのゲノム編集を試みている。現時点では、CRISPR-Cas9システムを用いて、複数の肺扁平上皮癌細胞株へゲノム編集を行っているが、同一の細胞の安定回収に至っていない。候補遺伝子による細胞増殖への影響がみられているが再現性に問題がある。
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今後の研究の推進方策 |
引続き、同様の方法で、肺扁平上皮癌細胞株へのゲノム編集を試みる予定である。CRISPR-Cas9システムそのものの細胞への影響も再検討する。苦慮する際には、他の肺扁平上皮癌細胞株を使用したり、候補となる癌促進型マイクロRNA、癌促進遺伝子の見直しやゲノム編集の方法の変更などを検討し、研究を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費の差額・端数のため、10,540円の次年度使用額が生じた。次年度の物品費と合算して、次年度の物品費の購入額に充てる。
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