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2021 年度 実施状況報告書

喘息におけるneurturinの臨床的役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K08607
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

佐藤 俊  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90464510)

研究分担者 鈴木 康仁  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70769596)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードNeurturin / 喘息 / 気道炎症 / 神経栄養因子 / Artemin
研究実績の概要

2021年度は前年度と同様にCOVID-19感染流行に伴い新たな検体の収集が困難な状況が続いていた。Neurturin(NTRN)と気道リモデリングとの関連をさらに検討するため、過去に採取し保存していた喘息患者の喀痰上清を用いて、MMP-2濃度をELISAで測定した。34検体について測定したが、喀痰上清NTRN濃度との有意な関連は認めなかった(r=0.067, p=0.708; Spearman rank analysis)。これまでの検討では喀痰上清におけるNTRNはMMP-9濃度と強い負の相関を認めており、この関連の有無についてはNTRNの喘息病態への関与の違いが反映されている可能性が示唆された。
また従来使用していたキットよりもより低濃度の測定が可能なELISAキット(Ray Biotech社、測定可能範囲:0.036-10 ng/mL)を用いて、改めて血清検体でのNTRNの測定を行ったところ、喘息患者から採取した血清15検体について測定しこのうち11検体で測定可能であった。測定可能な検体でのNTRN濃度は平均(±SD)は 0.117(±0.097) ng/mLであった。NTRN血清濃度は血中の総IgE値や好酸球分画と有意な相関を認めなかった。この15例の喘息患者は同日に誘発喀痰を採取しており予め喀痰上清におけるNTRN濃度を測定していた。NTRN濃度について喀痰上清と血清濃度の関連を検討したが有意な相関を認めなかった(r=-0.097, p=0.730; Spearman rank analysis)。この結果より、喀痰上清検体と異なり血清NRTN濃度は喀痰中の好酸球分画やTh2型の炎症性サイトカインとの関連を認めず、アレルギー性気道炎症を反映していないことが示唆された。喘息病態においてNTRN濃度は喀痰上清などの気道からの検体での評価が望ましいと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19感染の流行が収束せず、COVID-19患者の診療を行っている当該施設では感染予防の観点から誘発喀痰の採集が依然困難な状況であるため。また、肺機能の経年低下を確認するための呼吸機能検査についても同様な理由から検査を控えているため。

今後の研究の推進方策

現状採集できた検体のNeurturin測定を行い、経過を追えている症例について肺機能検査や増悪の経過を検討する。可能であれば論文化を目指す。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染症の流行に伴い検体採集が困難となり予算の多くを占めるELISA用キットの発注量が予定より減少した、ならびに研究成果が予定通り出ず学会での発表ができていないため。1年間研究期間を延長させ、既存検体におけるNeuruturin濃度と肺機能の経年低下などの関連を検索し研究成果を公表してゆく予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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